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★あびこのCB★

我孫子ネット通販3兄弟
その1  河元智行氏(まくら且ミ長)

2015年11月25日に中央学院大で開催された起業・創業シンポジウムでの内容を紹介します

  我孫子市役所近くにあるビル2階の狭い1室から3社のネット通販の企業が生まれた。
この3社とは、まくら梶i河元智行社長)、バスリエ梶i松永武社長)、エコキッチン梶i柳川実社長)で、その社長3名を我孫子ネット通販3兄弟という。今回の「起業・創業シンポジウム」で、3名の社長による講演があった。
この3名に共通しているのは、@同じオフィスで、A同じネット通販で、B同じ夢を持ってC勢いでスタートしたこと、更に @資金無、Aスペース無、Bノウハウ無、C職歴無、D経験無、E人脈無、とのことであった。
シンポジウムでの講演風景
中央が長男河元氏、右が次男松永氏、左が3男柳川氏

まず最初に、河元智行氏(まくら社長)の講演内容、及び後日お伺いした時の内容を紹介します。

 河元氏が枕に関心を持ったきっかけは、大型電器店の販売員をしていた時に同僚から「枕を買いに行くので一緒に行ってほしい」といわれたことである。この時に買った枕は同僚にはフィットせず、頭痛や肩こりの原因となってしまった。購入したお店で相談したが相手にされず、又返品もできないことに矛盾を感じ、枕について調べ始めた。枕の選び方や最新のテーマまで、消費者視点での調査結果を「枕の総合ポータルサイト」というホームページで情報を発信し続けた。アクセス数も増加し、キーワード「枕」でSEOが1位になった。
  「枕の総合ポータルサイト」を始めてから数年後、枕を売ってみようと思い、消費者視点に重点を置いたネット通販を始めた。
  資金ゼロなので在庫は持てず、受注後に仕入れることとし、商品数も1種類から順次商品数を増やし、少しずつ利益を積み立てた。しかし、翌年に取り込み詐欺に遭ってしまい資金ゼロというスタート時点の状況に戻ってしまった。この時のショックは非常に大きかったが、今後売上が伸びるという自信もあり何とか乗り越え、その後は右肩上がりの売上と無借金経営が11期続いている。
本社オフィス
配送センター
  今振り返ってみると、資金ゼロという弱みが、受注後仕入れという方法により強みに変わったと言える。
  現在も受注後仕入れの原則は維持しているが、翌日の受注量をコンピューターで予測し、1日分の見込み量を前日に仕入れることにより、3時までの受注に対しる翌日納品を実現している。
  当社の基本は消費者視点である。枕がその人にフィットしているかどうかは個人により異なり、実際に使用してみないと判らないので、20日以内なら使用していても返品可能とし、また枕のレンタル(3種類の枕を20日間レンタル)も実施している。
  現在では、枕を主としながらも、寝具も取り扱っており、取扱商品数は枕で500商品、枕も含めた寝具類が27,000商品、店舗数18店舗と拡大を続けている。
  単なる販売のみではなく新商品の開発(毎月1商品開発が目標)、ECサポート事業、メディア事業にも積極的に取り組んでいる。
新商品開発の例として、消臭性・吸湿性などに優れた落花生の殻を利用した枕があり、テレビで取り上げられたこともあり、短期間で完売した。
また、ITを利用して経営改善に努力した結果、平成24年に「経済産業省IT経営力大賞2012  全国商工会連合会会長賞」、及び「ちば元気印企業大賞2012・優秀経営賞」を、平成26年には「ひまわりベンチャー育成基金賞」を、更に平成27年には「千葉県・経営革新優秀企業知事表彰2015 最優秀賞」を受賞した。

「経済産業省IT経営力大賞2012 全国商工会連合会会長賞」のまくら鰍ノ対する、企業紹介・受賞に対しての評価等を下記に転記する。(経済産業省のホームページより)
特徴
ネットの活用で受注から在庫管理、発送、請求を自動化、3年間で売上が約2.2倍に〜まくら株式会社〜

受発注から事務処理の業務の完全自動化で、業務効率化と残業ゼロを実現
人手でしかできない仕事に、お客様サービスのこだわり
多店舗ネットショップの運営で、顧客ニーズのマッチングと競争力強化
企業概要
まくら株式会社は、サイバーモールや独自構築によるネットショップにおいて枕・寝具類を販売しているインターネット通販事業者です。会社の名前のとおり主な取扱商品は枕・寝具類で、枕については約800アイテム、寝具類については約24000アイテム取り扱っており、インターネットを通じて寝具類を販売している事業者として、枕・寝具類の取扱件数は国内においてトップクラスに位置しています。
導入の背景と目的
ネットショップ企業が生き残るためには、多様化する顧客のニーズに応え、「割安感」「お得感」「自社の特長」を訴える店舗の運営が必要となります。また、売れ行きや顧客の動向など市場の状況をリアルタイムに把握し、適切な対策をとることが重要になります。 そこで当社は、まずは、お客様から注文を受けてからお客様の手元に届くまでの時間をできる限り短くすることを重視し、IT化に対応できるメーカーには当社からシステムの設置を行い、受発注等を極力自動化し、当社で在庫を持たずに、短納期でお客さまの手元まで届ける仕組みを構築することで、他のネットショップとの差別化を実現することを目標としました。 また、当社は「毎日5分、同じ作業をするようであれば、すべて自動化する」という社内IT超推進計画を打ち立て、その結果として「機械でできる仕事は機械で、人間でしかできない仕事は人間で」というポリシーを実現するために、業務支援用のツールを開発し続けてきました。

IT化の概要
自社においてIT超推進計画を打ち立て、今まで手作業によりファックスで行っていた受発注の仕組みを、システムを活用した自動受発注の仕組みに切り替えるとともに、在庫管理、受発注、販売までの状況がパソコン上で確認できる業務の見える化を行いました。 このようにIT経営に取り組むことによって業務の効率化を高め、その一方で人間でしかできないサービス面を強化することにより、他のネットショップとの差別化を図っています。

自社専用の受発注システムを開発
IT経営に取り組む2007年以前は、受発注をアナログ的(電話・ファックス中心)に処理していました。そのため従業員は常時午後8時頃まで残業しており、繁忙期には夜12時頃にまでなることもありました。このように人的パワーだけでは処理することに限界があり、せっかくの販売機会を失うことも多々ありました。そこで、入力データをフルに活用し、受注処理、在庫管理、発注処理、発送指示、入金確認処理など一括で管理できるシステムを構築し、在庫の回転率を上昇させました。さらには、売上情報、勤怠管理、経理処理、決算、税務処理までも含む一貫した自動処理を可能とし、現在は、よほど特別なことがない限り残業は発生しなくなりました。このような手間が省略化されたことにより顧客サービスを充実させることが可能となり、手書きの手紙の同封や、こだわったラッピングを行うなど、お客様に喜ばれるための、「人間」でしかできない作業の充実を図ることができるようになりました。

ネットショップ多店舗運用が可能に
これらのツールを活用することにより、オンラインショップ運営の手間やコストを大幅に削減することができ、少ない人数で多店舗運用が可能になりました。多店舗をスクラップ&ビルト方式で運営することにより、顧客ニーズに対応する競争力のあるショップを選別しています。 IT活用全般として、守りの業務効率化ツール(社内管理用ツール)で67種類、攻めの業務効率化ツール(販売促進用ツール)で53種類開発・運用を実施しており、その他のツールも随時開発を行っています。

IT経営推進における取組み
経営者自身も常日頃から業務の効率化を意識し、それを実現するために創業当初からIT活用を進めてきました。特に在庫リスクには強い意識を持って対応してきており、在庫管理の切り口からマネジメントを実行し、徹底したデータ管理と効率化を図っています。また、自社としてプログラマーを採用し、社内のシステムを自社開発できる体制を積極的に構築しています。

導入効果
自社独自の業務システムの開発によって、受発注・在庫の管理を効率化しました。従来はファックスなどの手作業で処理していましたが、専用のアプリケーションを使うことで、事務作業を大幅に軽減することが可能になりました。また、受発注の手間が省けることで取り扱い件数を増やすことが可能になりました。取り扱いアイテム数では2007年の取り組み開始時と比較して10倍程度に増加しています。 さらに、業務の効率化によりネットショップの多店舗化も可能となり、2007年の取組開始から3年間で約店舗数で2.1倍、売上で2.2倍の増加につながっています。 在庫回転率についても2007年取り組開始時の16.3回から3年間で34.5回まで上昇させております。

評価概要
インターネット販売に特化して枕・寝具を販売している。 大手ネットショッピングモールの活用、独自のWebショップの運営を行うとともに、ネット販売の特性を徹底研究し、 それぞれの業績を評価しながら、20〜30 のサイトをスクラッ プ&ビルト方式で運営し、常に業績の良いサイトを残す工夫をしている。価格競争になりかねないネット販売で定価販売を原則とし、満足が得られなければ無料返品を受け付けるなど顧客満足を最大化している。膨大な商品数の取扱いと、複数サイトの運営を可能にするために、社内の業務システムは、 受注処理、在庫管理、発注処理、発送指示、入金確認処理等 の処理を始め、売上情報や勤怠管理とも連動させ経理処理、 決算、税務申告(e-Tax)までの処理を一貫して自動処理できるシステムを整備し、従業員が直接携わる業務は、原則 発送業務のみという仕組みを確立し、効率化を実現している点が評価された。
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