ACOBAが応援する起業家 その1
「「おはよう農園」の平飼い卵 -クラウドファンディングに挑戦」
第3卵目 農業研修一問一答
木造の開放鶏舎建設のためのクラウドファンディングは、スタートして4日目にして目標額(100万円)に達成!次の目標200万円に挑戦しています。 |
我孫子市内において農薬や化学肥料を使わずに新鮮野菜を育てている「おはよう農園」の恒川京士(ツネカワ アツシ)さんが、昔ながらの「平飼い卵」をお届けするためにスタートしたクラウドファンディングは、なんとスタート4日目で目標を達成いたしました。
「ひよこによりよい環境の整備」のために2020年1月24日までの残り期間を利用して次の目標(ネクストゴール)200万円に挑戦しています。
引き続き応援したいと思います。
https://readyfor.jp/projects/ohayo-egg
さて今回は、恒川さんが「おはよう農園」を始めるにあたって受けてきた農業研修や農場見学についてのお話を伺いました。
Q1 いままで受けられた農業研修や農場見学などを教えてください。 また、そういった情報はどうやって入手してきましたでしょうか? |
「まず農場見学ですが、我孫子市内においては、西洋野菜を中心に無農薬無化学肥料、有機栽培をなさっている中野牧人さんの「自然野菜のら」様、完全無農薬野菜の栽培を行い、農業体験も好評な「ベジLIFE!」様の香取岳彦さん、農薬や化学肥料を使わずに多品種の野菜の栽培を行っている「そうま農園」様の相馬様ご夫妻、2008年に会社員から新規就農され、我孫子の新規就農者のまとめ役である「野菜さんさんと」様の加賀さんなど、我々と同じような新規就農者、無農薬無化学肥料などの栽培を行っている農場を中心に見学させて頂きました。
訪問させて頂いた方から、また別の方を紹介して頂くですとか、FaceBookなどのソーシャルメディアで次々と繋がりができていった感じです。
我孫子市外では、いすみ市で新規就農され無農薬野菜、エディブルフラワー(食用可能な花)の栽培を行っている「農園タロとあき」様(現在は、あき様個人経営に変わっています)を訪問いたしました。
農業研修については、千葉県一宮町で、無農薬・無化学肥料の野菜栽培と平飼い養鶏を行っている「さいのね畑」様にて短期研修を受け、最終的には栃木県佐野市の「関塚農場」で1年間の研修につながっていきました。」
親元が農家でない新規参入の方が新たに就農して頑張っておられる事、つながりをつくっていく事は、本当に素晴らしいことだと思います。
我孫子市においては、平成21年度以降24名(19経営体)の新規就農者が誕生しているそうです。
なお我孫子市の新規就農の支援について、ご興味ある方は、以下をご参照ください。
新規就農支援
Q2 関塚農場様との出会いのきっかけとここで研修をしようと思った理由を教えて下さい。 |
「関塚農場様は、平飼い卵と、多品目の野菜を農薬や化学肥料を使わずに育てており、かつ研修生を募集している農家さんをインターネットで探して知りました。
特にお米、野菜、たまご、農産加工など多角的な農業経営しており、農業機械の整備、獣害対策などインフラに関する研修が充実している点も魅かれました。
そして関塚さんは、農業と家族との時間、暮らしを大事にされている方で、自然を活かした暮らしを徹底して実践されていて、その暮らしぶりに共感したというのも大きかったです。
ハーフセルフビルドで建てた住まいでは、かまどや五右衛門風呂を使い、なんでも手作りして生活されていました。
暮らしで必要なもの、農業で必要なものは自分で全て作ってしまうと言うことの一つ一つが非常に勉強になりました。関塚さんは、常に前向きで積極的な魅力的な人物でした。」
恒川京士さんは、進学先や就職先を選ぶ際も、自分が本当にやりたいこと、なすべきとことを中心に据えて、多くの人があまりやらないような道であったとしても積極的にチャレンジしてきています。
実践創業塾では、「起業とは事業を作ること」という考えに基づき、模倣ではなく、自分が本当にやりたい事業とは何か?それを「経営理念」としてきっちりと定義することを最重要視しています。
実践創業塾の詳細はこちら
Q3 研修期間中の1日は、どのような感じなのでしょうか? |
「日によって作業の内容は変わりますが、作業時間ですと朝の5時半頃から作業が始まり、夕方6時頃に終わる感じです。ただ日が高くなる夏場ですと開始が4時半で終了が夜8時頃になります。
まずは、朝食前に鶏の世話等を終えてから、7時から朝食。8時から作業を再開します。途中30分位の休憩をはさみ、12時には午前の作業を終えて昼食になります。昼食を終えて13時から作業を再開し、途中30分位の休憩をはさんで夕方6時頃の一日の作業が終わります。
農園と自宅は徒歩3分という距離ですので、朝食と昼食は自宅に戻ってとっていました。」
Q4 研修期間で大変だった事などあれば教えて下さい。 |
「研修地・自宅が栃木県佐野市、就農希望地が千葉県我孫子市と離れていたので、農地を見つけるのに苦労しました。
週1回の休みを利用して我孫子に来ていましたが、農地はすぐに借りられるわけではないので、結局研修の最後の方まで何度も何度も足を運んで調整を続けていました。
そして子供の保育園の関係もあり、研修の最後の1ヶ月半くらいは単身赴任になってしまったので、夫婦それぞれが、引越しや新生活の準備に追われ大変でした。
また、関塚農場のある佐野市秋山町と言う場所は、朝は氷点下8℃まで下がるなど冬の寒さは非常に厳しかったです。自宅に選んだのが築150年くらいは経っている古民家であり、部屋が広い分、寒さがこたえる朝もありました。」
Q5 研修期間でよかったこと、一番大きな気づきなどを教えて下さい。 |
「関塚農場さんは、子どもが遊びに行くのを快く受け入れてくれる環境だったので、親の働く姿を近くで見せることができた点が良かったと思います。
夏や冬の働く大変さなど、伝わったのではないかと感じています。また、露地で野菜を作っていたので、実体験から子どもが野菜の旬を理解出来た事がとても良かったと思います。
今では、子どもが、野菜の本などを見ていても、「トマトとかナスは夏の野菜だよね。冬はないはずだよね」などと言うようになりました。
野菜の旬などは、我々などは、成人して子どもができてから意識するようになったのですが、子どもたちは、体験を通して自然に覚えていくものなんだと改めて感じました。
加えて関塚農場さんには、農場の見学者や研修生などが、国内外からたくさん来ていることもあり、私も含めてそういった研修生や見学者の声に真摯に耳を傾け、いろいろな考え・意見を受け入れて頂ける姿勢は、非常に嬉しく、勉強になりました。」
おはようブログの中での「4歳のお子様の関塚農場での農業体験」は、微笑ましくも胸を打つものがありました。
是非とも、お読み頂ければと思います。
4歳児の農業体験
Q6 これから就農を考えている人へのアドバイス、研修場所を決めるにあたってのポイントなどを教えてください。 |
「研修先を選ぶ場合の条件としては、まず家族がいるかいないかが大きなポイントだと思います。
例えば、家族がいないのであれば、住み込みができるとか、まかないがあるとか、そういう条件を優先して研修期間中に使うお金を節約して、創業資金に回すといったことが可能かと思います。
ですが、家族がいる場合ですと、さすがにそのような条件を求めるのは難しいというのが現実なので、研修期間中の住居費や食費などの生活費支出をきっちりと試算し、就農するまでにどのくらいの資金が必要か考えてから就農するのがよいかと思います。
また、これは我々も苦労した点ですが、就農場所は、就農地と研修先は近い方が、借りられる土地を探しやすいという点もあります。
就農する場所の農事暦を研修中に理解できますし、早くから近隣の理解を得やすいというメリットもあります。
しかし勉強したい内容が、どうしても、その就農場所にない場合は、多少就農地と遠くても、必要な勉強ができる研修先を選ぶ決断も重要だと思います。
いずれにしても、研修に入る前に、何日か体験したりして、その場所が自分に合うかどうか確認することが必要だと思います。」
いかがでしょうか?
新規就農をお考えの人にとって、非常に役立つ話が聞けたのではないかと思います。
加えて農業という仕事の素晴らしさも伝わっていれば、幸いと思います。
そして恒川さんの平飼い卵が食卓に上る日を心待ちにしています。
[blogcard url=”https://readyfor.jp/projects/ohayo-egg”] | [blogcard url=”http://ohayo-farm.com/”] |