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我孫子市のコミュニティビジネス

“思いを形に”地域に根ざした生活サポート  (株)ママMATE


ベビーシッター、産前・産後のケア、家事手伝い、シルバーケアなど、生活の中で、こんな助けがあれば、という要望にきめ細かくこたえるママMATE。我孫子の地で誕生して、15周年を迎えたママMATEの目指すことは「地域に根ざして生活の中で役に立つこと」といいます。
その成り立ち、事業の根底を流れる思いとはどんなものなのでしょう…


 ■想いを形に

ママMATE代表佐久間さん
ママMATE代表 佐久間満恵子さん


我孫子市コミュニティビジネス起業化講座において、起業までの道のり、そして起業後のあゆみを熱く語る佐久間さん(2004.2.8)

社会人になって、ごく普通に結婚し、専業主婦として家庭を守っていたママMATE代表の佐久間さん。その佐久間さんに転機が訪れたのは昭和47年、双子の女の子の母親となったときでした。

「実家の母はすでに他界し、当時住んでいた奈良には知り合いもいませんでした。」

一人でも大変な乳児期の子育てを、核家族の中、二人同時に向き合う毎日は必死だったといいます。
無我夢中で一年が過ぎ、よちよち歩きの子どもさんたちとやっと手をつなぎ外に出かけることができるようになったときに、出会った人から
「大きくなったね」「これまで大変だったね」と声をかけてもらえたことがとてもうれしかったといいます。
地域での相互扶助のありがたさが身にしみた出来事でした。

また、生まれてきた真っ白な二人の子を抱いたとき
「この子達を、私はどんな風にも育てていける。人格をつくっていく責任を担ったんだ」という真摯な気持ちになったといいます。

こうした体験をもとに育っていった想い-「子育てほど大切な仕事はない.」「子育てには地域の身近な人からの手助けが必要」
これがママMATEをつくる熱い想い、根源になっているということです。

 ■これまでの歩み


ママMATE1周年記念の集まり


ママMATE本部。かつての自宅がすべてオフィスになっている。アットホームな雰囲気がスタッフに好評。

子育てが一段落した平成元年、ママMATE創設。当初は、ボランティアとして、産後のお手伝いからのスタートでした。当然、売り上げも0からのスタートです。
やがて、ベビーシッター、家事援助、介護から、
留守中のペットの世話まで、予想を超えた依頼が寄せられるようになりました。

「ママMATEの事業は、ニーズを先取りしたわけではありません。ニーズからくみ取って、できることから、できるだけ受けていこう、という中からしだいに事業内容が広がってきたんです。」

やがて社会的責任の増大に伴ってボランティアで関わることの限界を感じたことから、平成5年有限会社ファーストママMATEを設立。翌年5月期の決算には3,600万円の売り上げを得ました。

「スタートはお金をかけないで、無理をしないで手作りでやってきました。必要となったら導入すればいい、必要となったときにひとつひとつシステムを考え作り出していきました。」

そうした中、着々と実績を積み、やがて、行政からの委託事業、企業との取引などもふえていきました。
そして、平成15年には株式会社ママMATEに。

平成16年2月現在、職員24名、登録者1,100名、関東・関西に直営のネットワーク支部が13ヶ所、15年5月の決算時の売り上げは2億2,600万円という規模に発展しています。

■ママMATEの特色


幼稚園・保育園の送迎


ママMATEシッターさんたち


料理研修


介護リフト車

ママMATEには、我孫子市をはじめとして、現在13の支部がありますが、すべて直営方式を取っています。
採算性、仕事と家庭の両立のため、支部はすべて自宅勤務。本部では、給与管理、請求事務などの事務管理を行なっています。

「保育と介護の領域にはフランチャイズは適さないと考えています。ママMATEの想いを共有できる人たちとともにやっていきたい、それにははまず人です。そのためには直営方式が適しているんです。」

お金を追求するという方法を取らなかったことが現在のママMATEの質の維持につながっているといいます。
ただ、こうした方法を可能にしたのは、ママMATEのスタッフが自分以外の収入のバックボーンをもつ女性であるという背景もあります。

出産・育児という経験を活かしたい、無理の無い形で、地域の役に立つ仕事をしたい。
そうした女性のニーズに合致したことが、ママMATEの発展の基礎となっています。

人材面では
「ベビーシッターに必要なのはまず常識。人格・保育知識などどれも一定の水準の確保が大切です。また、さまざまな要望にあわせてのマッチング、コーディネートをする必要があります。」
質を高めるための料理研修や救急法研修など、各種研修も盛んに開かれています。


救急法研修

産後ケアからスタートした事業も、要望に応える形で介護事業にも広がってきました。
介護分野でのママMATEのこだわりは、介護技術の質。
ママMATEの現場で培ってきた経験、ノウハウを伝えたいとということ。その実現のために独自の少人数制・介護技術に重点をおいた「ホームヘルパー2級養成講座」を開講しています。


自身のつらかった想いを背景に、子育ての経験をいかし、共感する女性たちの活躍の場を作りながら地域密着の生活サポート事業を築いてきたママMATE。
起業してよかったと思うことは「自分のやりたいことをすぐやれる、ということ。この達成感は何物にも代えがたい喜びです」と語る代表の佐久間さん。
一方では「経営が忙しくて、現場に関われなくなっていることがさみしいんですよ。」とも。
そうした原点への想いがベースにあることが、コミュニティビジネスらしい、血の通った事業の源になっているような気がします。


●概要

名称 株式会社 ママMATE
所在地 千葉県我孫子市南青山7-3
電話/FAX 04−7181−8100/04-7181-8111
Eメール first@mama-mate.jp
設立年 平成元年
代表者氏名 佐久間 満恵子
活動分野など 保育、介護業務全般
URL http://www.mama-mate.jp/

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